アカデミー生がトップランナーとともに体現する室内楽への熱き想い
ウェールズ弦楽四重奏団(﨑谷直人、三原久遠、横溝耕一、富岡廉太郎)が次世代の奏者たちに自らの経験を伝えたいと始めた「ウェールズ・アカデミー」。現在は、その2期生として、クヮルテット・カノープス、アグノス・クァルテット、ヴァイオリンの山口絢、ヴィオラの和田志織が学んでいる。アカデミーでは、ウェールズのメンバーが、単独あるいは複数でレッスンを行い、時には講師と受講生が一緒に室内楽を奏でたりもする。筆者はアカデミーの様子を取材したことがあるが、時代の先端をいく現役の弦楽四重奏団のメンバーによるレッスンは、非常に細かく(緩徐楽章のわずか10小節に1時間かけることもあった)、かつ刺激的である。
来年2月4日には、アカデミー生たちとウェールズ弦楽四重奏団とのコンサート「ウェールズ・アカデミー ガラ・コンサート」がひらかれる。クヮルテット・カノープスはベートーヴェンの第10番「ハープ」を、アグノス・クァルテットがベートーヴェンの第11番「セリオーソ」を、ウェールズ弦楽四重奏団がモーツァルトの第14番「春」を、そして、山口絢、和田志織とウェールズのメンバーがブラームスの弦楽五重奏曲第2番を演奏。若者たちのアカデミーでの研鑽の成果を聴くとともにウェールズの演奏も楽しむことができる。これに合わせて、1月にはアカデミーの公開レッスンも行われる。そちらも注目である。
文:山田治生
(ぶらあぼ2023年12月号より)
2024.2/4(日)14:00 第一生命ホール
問:トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702
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