ミュージカル 『Once ダブリンの街角で』

トニー賞8部門受賞の話題作

 2012年のトニー賞で作品賞を含む計8部門を獲得し、現在もブロードウェイで上演中の『Once ダブリンの街角で』が初来日を果たす。ベースとなるのは、アカデミー賞で歌曲賞を受賞した同名のアイルランド映画。ダブリンを舞台に、アイルランド人のストリート・ミュージシャンと、チェコ移民の女性が、音楽を通して心を通わせていく姿を美しく、繊細な楽曲にのせて綴る。
 大規模なオーケストラやバンドはない。キャスト自身がピアノ、ヴァイオリンなどの楽器を演奏しながら歌やダンスを披露し、音楽が作られる過程を丁寧に描いているのが本作の特徴であり、見どころといっていいだろう。アイリッシュバーを模したシンプルな舞台は、机や椅子の配置を動かしたり、キャスト自らが小道具を入れ替えることで多彩な表情を見せ、観る者の想像力を心地よく刺激する。開演前には観客が舞台のセットのバーで、飲み物を購入することも可能。作品の世界観にとことん浸ってみたい。
文:長谷川あや
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年8月号から)

ONCE Tour Company © Joan Marcus
ONCE Tour Company © Joan Marcus

11/27(木)〜12/14(日) EXシアター六本木
問:キョードー東京0570-550-799 
http://once-musical.jp