名手たちによる卓越したアンサンブルが甦る
在京オーケストラの首席奏者たちによるヴェーラ弦楽四重奏団は、2006年に結成、2013年にはベートーヴェン全曲演奏を達成した。惜しくもその充実期に活動を休止し、知る人ぞ知る存在になっていた名クァルテットだが、嬉しいことに今秋、10年ぶりに復活することになった。
メンバーは、東京フィルコンサートマスター・三浦章宏、元N響第2ヴァイオリン首席・大林修子、東響ヴィオラ首席・青木篤子、東京フィルチェロ首席・渡邉辰紀。各楽団の中枢を担ってきた錚々たる奏者たちで、経験豊富でアンサンブルも熟知し、オーケストラのほかソリストとしても活躍してきた達人がそろう。
すでにベートーヴェン全曲演奏を達成した彼らが、さらに10年間の経験を重ねて再集結し、新たな門出に選んだ演目は、最高峰の名曲にして難曲の2大作、ベートーヴェン「ラズモフスキー第1番」とシューベルト「死と乙女」。この選曲だけでも意気込みのほどが伝わるというもの。4人の新しい意欲と覚悟を、熟練の技でじっくりと示してくれるはずだ。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2023年9月号より)
2023.9/10(日)14:00 かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
問:陽向企画Webサイト
https://youkouconcert.studio.site