上質の音空間に響く名手二人の生気みなぎるアンサンブル
チェロの山崎伸子が「高崎芸術劇場 大友直人 Presents T-Mastersシリーズ」に登場し、ピアノの小菅優とともにリサイタルをひらく。山崎は、小学4年生のときに「子供のための音楽教室」広島分室で齋藤秀雄に才能を見出され、小学5年生から東京で齋藤に師事し、最晩年の弟子の一人となった。その後、日本音楽コンクールで第1位を獲得し、ヨーロッパへ留学。ジュネーヴで世界的な名チェリスト、ピエール・フルニエに師事した。以後、ソリストとして大活躍。室内楽奏者としても高く評価される。近年は、後進の指導にも熱心に取り組んでいる。
2019年にオープンし、響きが良いことで知られる高崎芸術劇場 音楽ホールでの今回のリサイタルでは、ベートーヴェンの「ヘンデルのオラトリオ《ユダス・マカベウス》の〈見よ、勇者の帰還〉による12の変奏曲」、メンデルスゾーンの「無言歌 ニ長調 op.109」やチェロ・ソナタ第2番、ショパンのチェロ・ソナタが取り上げられる。まさに円熟期にある山崎がより深まった演奏を聴かせてくれるであろう。また、今や日本を代表する国際的ピアニストとなった小菅は、ソロ活動のほか、「ベートーヴェン詣」と題して、ベートーヴェンのピアノの入った室内楽曲・声楽曲をすべて演奏することを目指すなど、室内楽にも非常に積極的である。ピアノの活躍も顕著なメンデルスゾーンの第2番やショパンのソナタでのデュオが本当に楽しみである。
文:山田治生
(ぶらあぼ2023年8月号より)
2023.9/22(金)15:00 高崎芸術劇場 音楽ホール
問:高崎芸術劇場チケットセンター027-321-3900
http://takasaki-foundation.or.jp/theatre/