今年の9月、新国立劇場オペラ部門芸術監督のポストに尾高忠明が就任する。オペラにも造詣が深い尾高の采配ぶりに大きな期待が寄せられている中、彼が準備を進めてきた2010/11シーズンのラインナップが発表された。今回の10演目は「より広く、より深く、そして楽しい」をモットーとして選ばれた。1月15日に行われた記者会見の席で尾高は「任期の最初のシーズンはドイツ、イタリア、日本の作品を取り上げた。自分の指揮活動の柱がブルックナー、ワーグナー、シュトラウスといった後期ロマン派の作曲家ということもあり、“2人のリヒャルト”の名作《トリスタンとイゾルデ》《アラベッラ》は入れたかった。他の作品も含め、自分が“美味しい”と感じるものだけを選んだ」と述べた。さらに、広上淳一が《椿姫》、高関健が《夕鶴》、クリスティアン・アルミンクが《ばらの騎士》を指揮するなど、国内で活躍する指揮者の積極的な起用について「ふだんオーケストラの定期演奏会で活躍している人たちにピットに入ってもらうことで、日ごろ各オーケストラを聴いている人たちを劇場に呼びこめるのではないかと期待している」と語った。＜新制作：4作品＞★R.シュトラウス《アラベッラ》ウルフ・シルマー（指揮） フィリップ・アルロー（演出）ミヒャエラ・カウネ（アラベッラ） トーマス・ヨハネス・マイヤー（マンドリカ） 他 （10/2・6公演）★ワーグナー《トリスタンとイゾルデ》大野和士（指揮）、デイヴィッド・マクヴィカー（演出） ステファン・グールド（トリスタン） イレーネ・テオリン（イゾルデ）他 （12/25・5公演）★プッチーニ《マノン・レスコー》リッカルド・フリッツァ（指揮） ジルベール・デフロ（演出） スヴェトラ・ヴァッシレヴァ（マノン） グスターヴォ・ポルタ（デ・グリュー） 他（2011/3/15・6公演）★モーツァルト《コジ・ファン・トゥッテ》パオロ・カリニャーニ（指揮） ダミアーノ・ミキエレット（演出） アンナ・サムイル（フィオルディリージ） ダニエラ・ピーニ（ドラベッラ） 他 （5/29・5公演）＜レパートリー公演（再演目）＞★モーツァルト《フィガロの結婚》（10/10・4公演） ★ジョルダーノ《アンドレア・シェニエ》（11/12・5公演） ★團伊玖磨《夕鶴》（2011/2/4・3公演） ★ヴェルディ《椿姫》（2/14・5公演） ★R.シュトラウス《ばらの騎士》（4/7・6公演）★プッチーニ《蝶々夫人》（6/6・5公演）※（ ）内の日にちは初日問：新国立劇場ボックスオフィス03-5352-9999
