ウィーンの伝統を継承する二人が歌心ゆたかに紡ぐ名曲
今春、「風雅」なウィーンの音楽を味わう。桐朋学園大学を経てウィーンに学び、同地の伝統的な演奏技法を継承するピアニスト、中井知子。8歳でウィーン国立音楽大学予備科に入学、かのライナー・キュッヒルに師事し、現在は国際的に活躍するヴァイオリニスト、ヴォルフガング・ダヴィッド。これまでも共演を重ねて信頼を深めてきた両者が、4月に東京、札幌、室蘭、苫小牧、大津の5ヵ所を巡る日本ツアーを行う。
演目は、サン゠サーンス「序奏とロンド・カプリチオーソ」、サラサーテ「カルメン幻想曲」など、デュオによる技巧的で楽しい楽曲のほか、ダヴィッドがJ.S.バッハの無伴奏パルティータ第3番、中井がモーツァルトのソナタ第13番 K.333など、それぞれの音色と名技を聴かせるソロ曲も予定されている。中井は2月にも国内リサイタル・ツアーを行っており、そのバイタリティと深みを増した表現に期待したいし、ダヴィッドとともに奏でるウィーン直系の音色は各地に爽やかな空気を運んでくれそうだ。
文:林昌英
(ぶらあぼ2023年3月号より)
*4/13(木)室蘭公演と、4/14(金)苫小牧公演は、出演者の都合により中止となりました。
2023.4/8(土)14:00 サントリーホール ブルーローズ(小)
4/11(火)18:30 札幌/ザ・ルーテルホール
4/13(木)18:30 室蘭市市民会館【公演中止】
4/14(金)18:30 苫小牧市文化交流センター【公演中止】
4/16(日)14:00 びわ湖ホール(小)
問:日本楽友協会03-6277-8559
https://www.jmassoc.info