2022グランドオペラフェスティバル in Japan 二期会オペラ公演《フィガロの結婚》

宮本亞門演出の人気プロダクションが大分で初上演

 文化庁アートキャラバン事業のひとつである「2022グランドオペラフェスティバル in Japan」の一環として、東京二期会が大分市のiichiko総合文化センター iichikoグランシアタで、宮本亞門演出のモーツァルト《フィガロの結婚》を上演する。

 これは、2002年に二期会創立50周年記念公演として初演され、その後2006年、11年、16年、そしてコロナ禍で代替公演となった22年2月と合計5回も上演されている人気のプロダクション。シンプルだが美しいニール・パテルの装置、モノトーンを基調とした前田文子の衣裳とともに、一度観たら忘れられない素晴らしい舞台である。

 今回は大分のほかに鳥取、堺、山形でも上演されるが、大分公演では現在、オペラにシンフォニーに引っ張りだこの川瀬賢太郎がタクトをとるのに注目だ(管弦楽は日本センチュリー交響楽団)。川瀬は、先述した22年2月に、《影のない女》が中止となった代わりに急遽上演が決まった《フィガロの結婚》でも指揮を担当し大好評を博した。モーツァルトのオペラを得意とする川瀬による盤石の音楽作りに期待したい。

 アルマヴィーヴァ伯爵にはノーブルなバリトンとして人気の高い与那城敬、伯爵夫人に今や二期会のオペラになくてはならない髙橋絵理、フィガロにはベテラン萩原潤、ケルビーノには二期会を代表するメゾソプラノの小林由佳、そして2月の《フィガロ》でもスザンナを歌い、現在大注目の若手ソプラノ種谷典子と、二期会の人気歌手たちが顔を揃える。華やかで充実した舞台をひとりでも多くの人に堪能してもらいたい。
文:室田尚子
(ぶらあぼ2022年10月号より)

2022.10/23(日)13:00 大分/iichiko総合文化センター iichikoグランシアタ
問:二期会チケットセンター03-3796-1831 
http://www.nikikai.net