日中韓芸術祭2014 〜ダンスで交信〜

無料で観られる贅沢な企画


 文化や歴史において、切っても切れない密接な関係にある日本、中国、韓国。現在はさまざまな課題を抱えているのも事実だが、「だからこそ観たい!」と思わせる公演がKAAT神奈川芸術劇場で開催される。昨年の日中韓文化大臣会合での合意を受けた《日中韓芸術祭2014》だ。
 総合プロデュースを務める佐藤まいみによれば、公演は各国からの団体が出演するガラ形式。日本からは「山海塾」「コンドルズ」の参加がすでに決まっている。前者は高度な芸術性と様式美で世界的知名度を誇る団体、後者はコンテンポラリーと笑いを合体させた作風で老若男女に大人気のグループと、いったいどんな作品がぶつかり合うのか、これだけでも観客は興味津々のはず。中国、韓国からも、伝統と現代性の両面を併せ持つ芸術団体が参加するとなれば、さらに関心は増していく。サブタイトルに「〜ダンスで交信〜」とあるように、言葉のいらないダンスは、理屈を超えて人々を巻き込む力がある。この公演によって3ヵ国の距離が縮まり、それぞれのコミュニケーションが深まるなら、これほど意義あることはない。終盤には「コンドルズ」の近藤良平が振付けた“ヨコハマ盆ダンス”で、客席もろとも盛り上がろうという企画もあるとか。入場は無料。応募多数の場合は抽選だが、希望者は公式ホームページやハガキ、FAXなどで申し込める。アジアの隣人たちと交信する貴重なチャンスを、ぜひとも手に入れたい。
文:新藤弘子
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年8月号から)

9/4(木)19:00 KAAT神奈川芸術劇場ホール
問:日中韓芸術祭2014事務局03-5790-0820  
http://jckaf2014.jp