BCJ首席の三宮正満(オーボエ)と元N響首席の福川伸陽(ホルン)が中心となり、日本のトップ管楽器奏者らにより、2021年に結成されたピリオド楽器アンサンブル。その第1弾アルバムで取り上げた、ベートーヴェンとモーツァルトの八重奏曲は、18世紀に流行した娯楽を目的とした“ハルモニームジーク”の編成を採りつつ、芸術性を追求し、奏者に高い技術を要求する。手練れ揃いのアンサンブルは、ピリオド楽器の演奏の難しさを微塵も感じさせぬどころか、これらの楽器でしか出せない滋味を余さず表現。随所にあふれる創意と愉悦、丁々発止のやり取りには、もはや溜め息しか出ない。
文:寺西肇
(ぶらあぼ2022年8月号より)
【information】
CD『モーツァルト・ベートーヴェン 木管八重奏/レ・ヴァン・ロマンティーク・トウキョウ』
ベートーヴェン:八重奏曲 変ホ長調、ロンド(ロンディーノ)変ホ長調/モーツァルト:セレナード ハ短調「ナハトムジーク」
レ・ヴァン・ロマンティーク・トウキョウ
【三宮正満 荒井豪(以上オーボエ) 満江菜穂子 戸田竜太郎(以上クラリネット) 岡本正之 村上由紀子(以上ファゴット) 福川伸陽 藤田麻理絵(以上ホルン)】
コジマ録音
ALCD-3125 ¥3080(税込)