ゼフィルス・ピアノ五重奏団

19〜20世紀フランス語圏のエスプリ漂う作品を集めて

左より:森山涼介、湯本亜美、尾池亜美、 山田麻実、兼重稔宏 (c)平舘 平

 日本とドイツを本拠とする気鋭の奏者たちによって、2018年に設立されたゼフィルス・ピアノ五重奏団。尾池亜美、山田麻実(以上ヴァイオリン)、湯本亜美(ヴィオラ)、森山涼介(チェロ)、兼重稔宏(ピアノ)という顔ぶれからも、清新な演奏への期待が高まる。19年に第1回定期演奏会を開催後、コロナ禍によって20年の第2回は延期されたが、昨年無事に再開。今年は愛知、長野、東京の3ヵ所で演奏会を行う。

 今回は「19世紀から20世紀初頭のフランス語圏」をテーマに、フランス出身のダリウス・ミヨー「世界の創造」、スイス出身のフランク・マルタンとベルギーのセザール・フランクのピアノ五重奏曲の3曲が演奏される。マルタンの伝統と現代性の混ざる、知的で美しい作風による同作は実演稀少。今年生誕200年のフランクの同作も傑作と称えられる重厚な楽曲で、いずれも貴重な体験機会となる。渋めの演目と言えそうだが、彼らの手にかかればその魅力を清々しく味わえそうだ。
文:林昌英
(ぶらあぼ2022年7月号より)

2022.7/31(日)14:00 愛知/宗次ホール 
8/1(月)18:30 長野市芸術館 リサイタルホール
第3回定期演奏会 
8/6(土)14:00 トッパンホール
問:ゼフィルス・ピアノ五重奏団050-6864-4752 
https://www.facebook.com/zquintet