世界に開かれた横浜ならではのピアノ・ガラ、再開!
未来を担う若き才能を世界中から発掘し、広く紹介することを目的に毎年開かれてきた「横浜市招待国際ピアノ演奏会」。昨年予定されていた第39回は、コロナ禍を受けて延期に。満を持しての開催となる今年のステージには、この5月のルービンシュタイン国際ピアノコンクールで、日本人として44年ぶりの上位入賞、しかも歴代最高位の第2位を獲得したばかりの桑原志織ら、4人の新進気鋭のピアニストが登場する。
同演奏会は1982年、横浜市を拠点に活躍した世界的ピアニストで、後進の指導にも力を注いだ故・山岡優子の提唱によりスタートした。これまでに計28ヵ国から招かれた185人の俊英たちが、瑞々しい快演を披露。「世界各地で華々しく活躍する錚々たる顔ぶれは、この演奏会が果たしてきた役割の大きさを表している」と、企画委員長を務める国際的ピアニストの海老彰子は言う。
今回は、桑原がベートーヴェン「ソナタ第31番」とバッハ(ブゾーニ編)「シャコンヌ」で幕開けを飾る。そして、2015年のショパン国際ピアノコンクールで第3位となったアメリカのケイト・リウが、モーツァルト「ソナタ第8番」とショパン「バラード第1番」を。17年にルービンシュタイン国際ピアノコンクールで第2位となったルーマニアのダニエル・チョバヌは、ヤマハが開発した生演奏を忠実に再現するDisklavierTMシステムによるリモート出演で、ムソルグスキー「展覧会の絵」を披露。そして、18年に浜松国際ピアノコンクールを制したトルコ出身のジャン・チャクムルが、シューマン「クライスレリアーナ」でステージを締め括る。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2021年11月号より)
2021.11/6(土)16:00 神奈川県立音楽堂
問:横浜みなとみらいホール仮事務所チケットセンター045-682-2000
https://mmh.yafjp.org/mmh/
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