「継続は力」とは、まさにこのことだろう。日本センチュリー響と首席指揮者の飯森範親が2015年に開始した、ヨーゼフ・ハイドンによる104の交響曲を8年かけて全曲演奏し、併せてディスクを発表する「ハイドンマラソン」。第12弾となる当盤には、比較的知名度の高い「めんどり」をはじめ、“アラフィフ”で書かれた3曲を軸に収録。今や的確にハイドンの語法を体得、楽曲の愉悦を自然な形で表現して、飯森の言う「楽員たちのハイドン愛」が、具に感じ取れる快演に。“聴かず嫌い”を振り向かせるのにも十分な魅力を備えて、日本の聴衆のハイドン観へ革命をもたらす。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2021年10月号より)
【information】
SACD『ハイドン:交響曲集 Vol.12/飯森範親&日本センチュリー響』
ハイドン:交響曲第83番「めんどり」・第79番・第75番、歌劇《薬剤師》より序曲
飯森範親(指揮)
日本センチュリー交響楽団
収録:2021年2月、ザ・シンフォニーホール(ライブ)
オクタヴィア・レコード
OVCL-00756 ¥3520(税込)