漆原朝子(ヴァイオリン)& 今峰由香(ピアノ)

濃密な独墺プログラムで聴く鮮烈なデュオ

 ヨーロッパを舞台に第一線で活躍を続ける一方、ミュンヘン国立音大ピアノ科教授として後進の指導にあたるピアノの今峰由香。そして、国際舞台で活躍し、やはり東京芸大准教授として若手の育成に力を注ぐヴァイオリンの漆原朝子。2人の名手が、充実の独墺プログラムで対峙する。その出会いの先に、どんな響きの宇宙が形作られるのか。
 今峰は、関西学院大学文学部を卒業後、ミュンヘン音大やローマ・サンタ・チェチーリア音楽院で学んだという異色の経歴を持ち、数々の登竜門で実績を重ね、2002年、32歳の異例の若さでミュンヘン音大教授に就任した。一方の漆原も、ジュリアード音楽院に学び、数多くの檜舞台での活躍を続けてきた。
 今回のデュオ・リサイタルは、寂漠感に満ちたブラームスの第3番、嵐のようなベートーヴェンの第4番、そして、推進力あふれるモーツァルトの第42番と、3つの個性的なヴァイオリン・ソナタが軸に。ここへ、シューマンの「3つのロマンス」と、ウェーベルンの「4つの小品」が挟み込まれる。
文:笹田和人
(ぶらあぼ 2016年12月号から)

12/23(金・祝)14:30 京都府立府民ホール アルティ
問:KCMチケットサービス0570-00-8255
http://www.kojimacm.com/