東京シティ・バレエ団『ダブル・ビル』

才気が結集された話題の新作と大作のアンコール上演


 古典からコンテンポラリーに至るまで独自のレパートリーを誇る東京シティ・バレエ団が、世界バレエ界の新旧の潮流を映し出す2作品による<ダブル・ビル>を上演する。
 まず注目は、本邦初演となるイリ・ブベニチェクの新作『L’Heure Bleue(ルール・ブルー)』。ハンブルク・バレエ団のソリストとして活躍した双子の兄弟イリ&オットー・ブベニチェクの名前をご存知の方は少なくないだろう。本作は、2013年にアメリカで初演されたもので、今回東京シティ・バレエ団のためのスペシャル・バージョンがお目見えする。イリが演出・振付を手がけ、オットーが振付助手から舞台美術、照明、衣裳を担当するなど、まさに兄弟の才気が結集された意欲作。音楽はJ.S.バッハとボッケリーニの弦楽作品、衣裳は中世ヨーロッパ風で、コケティッシュでユーモア溢れた舞台が楽しめそうだ。
 もう一作は、夭折したドイツの鬼才ウヴェ・ショルツが1991年に発表した『ベートーヴェン 交響曲第7番』。大作曲家の名曲を視覚化した壮大なシンフォニック・バレエとして名高い。同団が2013年に日本初演し、翌年「NHK バレエの饗宴 2014」で再演された。志賀育恵、佐合萌香、中森理恵、黄凱、キム・セジョン以下バレエ団総出演、大好評を受けてのアンコール上演だけに、まだこの作品を見たことのない方にもぜひお薦めしたい。
文:渡辺真弓
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年1月号から)

2016.1/30(土)18:00、1/31(日)15:00 新国立劇場(中)
問:東京シティ・バレエ団03-5638-2720 
http://www.tokyocityballet.org