映画『ロパートキナ 孤高の白鳥』

プリンシパルの素顔に肉迫

©DELANGE PRODUCTION
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 マリインスキー・バレエを代表するプリンシパルであり、『白鳥の湖』世界最高峰のオデット/オディール役として名高いウリヤーナ・ロパートキナ。『ロパートキナ 孤高の白鳥』は、彼女の素顔に迫るドキュメンタリー映画だ。
 監督は、『バレエに生きる〜パリ・オペラ座のふたり〜』『至高のエトワール〜パリ・オペラ座に生きて〜』等、バレエ人を追う作品を発表してきたマレーネ・イヨネスコ。ダンス映像や本人や周囲の人々の発言等から浮かび上がってくるのは、バレエにストイックに身を捧げる一人の真摯な人間の姿。『白鳥の湖』をはじめ、ドラマティックな作品のヒロインのイメージが強いが、ローラン・プティがビージーズの曲に振り付けたポップな『ステイン・アライヴ』では、マニッシュな黒のコンビネゾンに身を包み、ファンキーなステップを踏む姿も見られ、新鮮だ。11月のマリインスキー・バレエ公演でその舞を堪能した向きにもお勧めしたい。
文:藤本真由
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年12月号から)

2016年1月30日 渋谷Bunkamuraル・シネマ 他全国ロードショー
※詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
http://lopatkina-movie.jp