ジョージ・リー(ピアノ)

卓越した技術と表現力を持つ新星、初来日!

©Christian Steiner
©Christian Steiner

 最高峰の国際コンクールで上位入賞を果たすピアニストたちは、卓越した技術なり表現力なりを持ち合わせているのはもちろんのこと、どんな大舞台でも「その人」にしか作りだせない音楽のうねりを堂々と生み出し、聴き手を魅了する強い引力を備えている。アメリカはボストン生まれのジョージ・リーも、間違いなくそうしたエネルギーに恵まれた一人である。昨年の第15回チャイコフスキー国際コンクールにおいて、シルヴァー・メダリストに輝いた20歳のピアニストだ。すでに名が知られており有力視されていたピアニストたちが次々と落選していく中、目映い光を放つ奏者たちが鎬を削った。そんな中、最終ラウンドでも輝くような音色で、凛々しさと軽やかさに溢れたチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を弾ききったジョージ・リー。彼の演奏をインターネット中継で耳にした人も多いことだろう。
 コンクール後は、数多のオーケストラとの共演やリサイタル、そして音楽祭出演などで忙しいリーだが、日本においても6月にデビュー公演を行うべく初来日する。聴かせるのは、ピアニストの力量を遺憾なく伝えるショパンのソナタ第2番「葬送」、シューマンの「アベッグ変奏曲」、リストの「ハンガリー狂詩曲第2番」を中心としたプログラム。コンクールの熱気とはまたひと味違ったステージで、若き才能が真摯にその音楽を紡ぎ出すコンサートに、期待をもって駆けつけたい。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年2月号から)

6/6(月)19:00 浜離宮朝日ホール
問:ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040
http://www.japanarts.co.jp
1/31(日)発売