オリ・ムストネン(ピアノ)Olli Mustonen, piano

(C)Heikki Tuuli

 トゥルク・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督および首席指揮者を務める。ラフマニノフ、ブゾーニ、エネスクといった偉大な作曲家の伝統を受け継ぎ、作曲家、ピアニスト、指揮者として一人三役での公演も行うなど並外れた才能を持つ、今日の音楽界において特異な存在である。また、ラップランド室内管弦楽団の首席客演指揮者を務め、室内楽とリサイタルを組み合わせたオーケストラ公演を展開させている。
 輝かしいキャリアにおいて自身の非凡なる音楽的見識を発揮し、これまでに、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ニューヨーク・フィルハーモニック、ロサンゼルス・フィルハーモニック、シカゴ交響楽団、クリーヴランド管弦楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、マリインスキー劇場管弦楽団、パリ管弦楽団、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団のほか、ロンドンの主要オーケストラとも共演している。

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  2023/24シーズンは、長年親交を続けるスティーヴン・イッサーリスをトゥルク・フィルハーモニー管弦楽団に招き、ブリテンの「チェロと管弦楽のための交響曲」とショスタコーヴィチの交響曲第15番で幕を開けた。パーヴォ・ヤルヴィ指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団との共演や、ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団とバルトークのピアノ協奏曲第2番、ソロイスツ・ヨーロピアン・ルクセンブルクとレスピーギのミクソリディア旋法のピアノ協奏曲を演奏する。欧州の主要音楽祭にも定期的に登場し、ホルステブロ国際音楽祭ではコンポーザー・イン・レジデンスを務める。南米では、カルタヘナ音楽祭でグリーグのピアノ協奏曲を披露し、リサイタルを開催する。コンツェントゥス・モラヴィエ・フェスティバル、スタヴァンゲル国際ピアノ・フェスティバル、タンペレ国際室内楽音楽祭への出演のほか、オーストリアとドイツでのリサイタル・ツアーがある。
 2022/23シーズンは、カメラータ・チューリッヒのアーティスト・イン・レジデンスとして2年続けて共演し、オーストラリア室内管弦楽団との15公演にわたるオーストラリア・ツアーに同行した。ウィグモア・ホールではプロコフィエフのピアノ・ソナタ全曲演奏会を行い、日本ではヘルベルト・ブロムシュテット指揮NHK交響楽団との共演や札幌交響楽団へ客演した。そのほか近年のハイライトは、プラハ・フィルハーモニア管弦楽団やウィーン放送交響楽団と共演し、ブラジルのミナス・ジェライス・フィルハーモニー管弦楽団とは一人三役の共演でモーツァルトのピアノ協奏曲第25番と自身が作曲した《ペタヤヴェシの古い教会》を披露した。また母国フィンランドでは、フィンランド放送交響楽団、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団、ユヴァスキュラ交響楽団をはじめとするオーケストラと多数共演し、ダリア・スタセフスカ指揮ラハティ交響楽団との共演で『ラウタヴァーラ、マルティヌー: ピアノ協奏曲第3番』がBISレーベルからリリースされた。
 作曲の分野で、2019年に名誉あるヒンデミット賞を授与された。ピアニスト&指揮者としての演奏活動が作曲の根源にある。近年は、自作《Taivaanvalot(天空の光)》をイアン・ボストリッジ&スティーヴン・イッサーリスとアムステルダムのミュージックヘボウ・アアン・ヘット・アイで初演、その後ウィグモア・ホールと香港でも公演を行った。ボン・ベートーヴェン音楽祭から委嘱された弦楽六重奏曲は2020年に初演された。昨シーズンは、クロンベルク・アカデミーから委嘱されたパブロ・カザルス追悼作品《Apotheosis》がカザルス・フォーラムのオープニング・ガラで披露され、交響曲第3番《Taivaanvalot(天空の光)》がトゥルク・フィルハーモニー管弦楽団とソリストにイアン・ボストリッジを迎え初演された。 これまでに、カーネギー・ホール、シカゴ・シンフォニーセンター、ペルミのディアギレフ・フェスティバル、ドレスデン音楽祭、ロッケンハウス音楽祭、ニューヨーク・ザンケルホール、シドニー・オペラハウス等でリサイタルを開催している。スティーヴン・イッサーリスとは30年以上にわたり共演を続け、2019年にはハイペリオン・レーベルより『ショスタコーヴィチ、プロコフィエフ、カバレフスキー:チェロ作品集』をリリースした。
 ヘルシンキ生まれ。5歳よりピアノ、ハープシコード、作曲を学ぶ。最初にラルフ・ゴトーニに、その後ピアノをエーロ・ヘイノネンに、作曲をエイノユハニ・ラウタヴァーラに師事した。

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