第28回ブラームス国際コンクール 室内楽部門でDuo Minerva(三井静・大淵真悠子)が第2位

 9月5日から12日にかけてオーストリア南部のペルチャッハで第28回ブラームス国際コンクールがおこなわれ、チェロの三井静とピアノの大淵真悠子によるデュオ「Duo Minerva)が室内楽部門で第2位に入賞した。Duo Minervaには賞金2000ユーロが贈られる。28回目を迎える今年は、室内楽部門のほか声楽、ヴィオラ、チェロの各部門が実施された。

(c) Andrej Grilc 写真提供:Johannes Brahms Gesellschaft Pörtschach

 ペルチャッハは、人気の避暑地ヴェルター湖の北岸に位置する町。ブラームスが夏の間を過ごし、ヴァイオリン協奏曲op.77やハンガリー舞曲といった重要な作品を書いた場所として知られる。この周辺ではアルバン・ベルクが作曲活動をおこない、またグスタフ・マーラーが交響曲を書いた作曲小屋があるなど音楽家ゆかりの地である。
 最終結果は以下の通り。

第28回 ブラームス国際コンクール 室内楽部門
第1位 Trio Bohémo – Vojtek Jan, Pĕruška Matouš, Vocetková Kristina(チェコ)
第2位 Duo Minerva – Obuchi Mayuko, Mitsui Shizuka(日本)
第3位 Alecian Coline、Stasyk Ondine、Pio Jennifer、Simon Cyril(以上フランス)

 三井は、1992年横浜市出身。桐朋学園大学ソリストディプロマコースを経て、ザルツブルク・モーツァルテウム大学在学中にミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団のチェリストとなる。コンクール入賞歴も多く、第80回日本音楽コンクール第3位、エンリコ・マイナルディ・チェロコンクール(オーストリア)第1位。2018年には、ジョルジュ・エネスコ国際コンクール チェロ部門でも入賞を果たしている。室内楽では、ゴーティエ・カプソン、クレメンス・ハーゲン、五嶋みどりら著名な演奏家との共演も多数。2020年1月にはアンドレア・バッティストーニ指揮東京フィルハーモニー交響楽団とハイドンの協奏曲で共演している。
 大淵は、1988年京都生まれ。同志社女子大学音楽学科、京都市立芸術大学大学院を経て、ザルツブルク・モーツァルテウム大学、ミュンヘン音楽演劇大学歌曲伴奏科修士課程で学ぶ。現在はウィーン国立歌劇場バレエアカデミーのピアニストを務める傍ら、ウィーン国立音楽大学にて研鑽を積む。2017年、アントン・ルービンシュタイン国際コンクールピアノ部門優勝。
 Duo Minervaは、9月12日におこなわれた入賞者ガラコンサートにも出演した。

Johannes Brahms Competition
https://www.brahmscompetition.org