ベルトラン・ド・ビリー(指揮) 東京フィルハーモニー交響楽団

重量級ダブル「英雄」プログラム

(C)Marco Borggreve

(C)Marco Borggreve

 ベルトラン・ド・ビリーが東フィルの指揮台に立つ! これは楽しみな共演が実現した。ド・ビリーといえば、ウィーン放送交響楽団音楽監督として旋風を巻き起こし、ウィーン国立歌劇場やメトロポリタン・オペラなどからもたびたび招かれる旬の指揮者。一昨年はNHK交響楽団定期公演に来日して、しなやかで躍動感にあふれるシューベルトの「グレイト」他で好演を聴かせてくれた。
 そのド・ビリーが東フィルで披露するのは、ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」とR.シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」を組み合わせた重量級ダブル「英雄」プログラム。なんともゴージャスな演目だ。交響曲の歴史に新たな扉を開いた古典派の大作と、19世紀ロマン主義の締めくくりとなるかのようなシュトラウス最後の交響詩。ド・ビリーの棒のもと、“両雄並び立つ”コンサートとなってくれることだろう。実は同じダブル「英雄」プロを、今年2月に山田和樹が読売日本交響楽団で指揮したばかり。この偶然の一致にも軽い驚きを覚える。今年の東京の音楽界はヒーローの年なのか?
 コンサートとオペラの両輪で大活躍中のド・ビリーだが、今回の来日では先立って新国立劇場でシュトラウスの《アラベッラ》を指揮する。ピットに入るのは東フィル。オペラでじっくりと共演を重ねたうえで、ダブル「英雄」プロに挑むことになる。一段と相互理解を深めた名演を期待できそうだ。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2014年6月号から)

第86回 東京オペラシティ定期シリーズ
★6月2日(月)・東京オペラシティ コンサートホール 
問:東京フィルチケットサービス03-5353-9522 
http://www.tpo.or.jp
ローソンチケット Lコード:34766

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