選ばれし若き精鋭たちが挑むドヴォルザーク
これから日本の楽壇をリードしていく若手演奏家が、それぞれの現在の実力を聴かせてくれるトッパンホールの名物企画「ランチタイムコンサート」も111回目を迎える。夏のスペシャル企画として、特別に編成されたアンサンブルがドヴォルザークの傑作「ピアノ五重奏曲(op.81)」を披露する。「ランチタイムコンサート」に出演経験のある東亮汰(ヴァイオリン)、田原綾子(ヴィオラ)、佐山裕樹(チェロ)、原嶋唯(ピアノ)の4人に、今回が「ランチタイムコンサート」デビューとなる菊野凜太郎(ヴァイオリン)を加えた演奏だ。それぞれのフィールドで活躍を始めている5人が顔を合わせるチャンスも少なくなりそうな予感がするので、今回は貴重な機会となるだろう。
トッパンホールのプログラミング・ディレクターを務める西巻正史が広報誌に寄せた言葉をあえて引用すれば、最近のドヴォルザークの室内楽の演奏は「まるでド派手な最新鋭のポルシェに乗って、素朴なボヘミアの田舎を爆走するような演奏ばかり」と感じることが多いそうだが、確かにそれではドヴォルザークの音楽が持っている土の香りは漂ってこない。もう一度、作品の原点に立ち返って、その音楽の魅力をこの若い5人が探った時に、どんな風景が広がるのか、とても楽しみだ。
通常「ランチタイムコンサート」は無料だが、今回は特別に有料公演(トッパンホールクラブ会員は無料、要予約)である。人気公演なので、ご予約はお早めに!
文:片桐卓也
(ぶらあぼ2021年8月号より)
2021.8/24(火)12:15 トッパンホール
問:トッパンホールチケットセンター03-5840-2222
https://www.toppanhall.com