歌唱メンバー全員が東京藝術大学大学院を修了。オペラ、歌曲、オラトリオなど幅広いレパートリーを歌いこなす実力派の歌手たちが集う「彩美歌」は、木下牧子の歌曲録音をきっかけに生まれたユニット。やわらかさの中に強い意志を感じさせる凛とした響きの声が重なり合い、言葉を大切にした歌唱は、作品の魅力を軽やかに、そして優しく伝えてくれる。今回は木下作品の中でも人気の高い作品をアカペラ歌唱したものが収められている。“読み聞かせ”をしてくれているかのように言葉をあたたかく届けてくれる歌唱からは、作品への敬愛、メンバー同士の厚い信頼関係が伝わってくる。
文：長井進之介
（ぶらあぼ2021年8月号より）
【information】
CD『彩美歌 木下牧子を歌う～アカペラ～／高島敦子＆木下泰子＆三宮美穂』
木下牧子：にじいろの魚、ほたるたんじょう、うたをうたうとき、サッカーによせて、ロマンチストの豚、さびしいカシの木、棗のうた、グリンピースのうた、夢みたものは、いっしょに、おんがく、鷗
高島敦子（ソプラノ）
木下泰子 三宮美穂（以上メゾソプラノ）
ナミ・レコード
WWCC-7947 ￥2750（税込）