ハッピー・バースデイ、アルゲリッチ!

Happy Birthday Martha!!

今日、6月5日はマルタ・アルゲリッチの80回目の誕生日。先月開催が予定されていた第22回別府アルゲリッチ音楽祭には、新型コロナウイルス感染拡大を受けて残念ながら来日が叶わなかったが、その後大分県は、アルゲリッチの誕生日である6月5日を「マルタ・アルゲリッチの日」にすると宣言。彼女の功績を称え、芸術の役割や寛容と共生の精神を世界に発信し、県民をあげて彼女の貢献を顕彰し長く記憶にとどめていくという。

Martha Argerich (c)Rikimaru Hotta

6月4日、大分県と公益財団法人アルゲリッチ芸術振興財団は、「マルタ・アルゲリッチの日」制定についてオンラインで会見を開いた。登壇した別府アルゲリッチ音楽祭総合プロデューサー 伊藤京子は次のように述べた。

「1994年にアルゲリッチが初めてこの別府にやってきてからさまざまな苦難があったが、企業やマスコミの方々、大分県知事、そして何より県民の皆さまが音楽祭の継続を強く望んでくれたおかげでこの日を迎えられたと思っている。

当初、アルゲリッチは自分の名を冠した音楽祭について、気恥ずかしいような思いがあったようだが、音楽がただのエンタテイメントではないということを知ってもらう大きな機会になると期待をしてきた。今回の「マルタ・アルゲリッチの日」の制定はマイルストーンであり、これからも芸術の新しい道をアルゲリッチとともに創っていこうという覚悟の宣言と思っている」

そしてアルゲリッチ本人から「マルタ・アルゲリッチの日」制定についてコメントが届いた。

Message from Martha Argerich

私の80才を祝していただき、広瀬大分県知事による「マルタ・アルゲリッチの日」の制定を嬉しく思っています。

なによりも嬉しかったことは、私の音楽祭を通してクラシック音楽の社会での役割を理解してくださったことです。

日本は長年私の活動の一つの支柱を為すものです。
その中で1994年に大分-別府に初めて訪れて以来、私の人生での大切な「初めて」を経験してきました。
それは、公的な役職、自らの名前を冠した音楽祭、椎木正和氏からのアルゲリッチハウスと専用ピアノ マルティータの寄贈を受けたことです。
そして今回の「マルタ・アルゲリッチの日」の制定です。

この一つ一つには形式的なものではない、友情や絆といった人間的な思いやりや、繊細な愛情が込められています。
このことは私に何か言葉では表現出来ない感情、我が家に帰り守られているような安心感と言えばよいのでしょうか、そのようなものを与えてくれるように思います。特に別府は、私の家族も同様に親しみを感じています。

今までもそうであったように、私は皆さまと共に芸術が社会で役立てられ、人々へ調和や寛容の精神を醸成する一助となり、共に生きる安寧な社会への道と繋がることを信じたいと思います。

この制定の精神が世界の人々へ届き、今というこの時を大切に過ごし、未来への希望へとつながっていくことを願っています。
そのことを大切な友と共に実現するために、私は何度もここ大分県へ戻ってきます。

本当にARIGATO

公益財団法人アルゲリッチ芸術振興財団総裁
別府アルゲリッチ音楽祭総監督
大分県外国人名誉県民
マルタ・アルゲリッチ

アルゲリッチ音楽祭公式サイトより
「ステファニー・アルゲリッチが聞く
“今、マルタ・アルゲリッチが考えること”」
https://www.argerich-mf.jp/video/20210604_atgerich.html

大分県「マルタ・アルゲリッチの日」の制定及びPR動画等の公開について
https://www.pref.oita.jp/soshiki/10940/argerichday.html