藤原歌劇団が誇る実力派ソプラノのデビュー盤はタイトル「le miroir(ミロワール)」=鏡の如く、彼女の魅力を様々に映し出すアルバム。“いちばん歌いたかった”というマスネの《タイス》を皮切りに、オーディションやコンクールの定番だったドニゼッティ《ドン・パスクワーレ》(ノリーナ)やアンダースタディとして稽古場で見守ったグノー《ロメオとジュリエット》(ジュリエット)、トリエステ歌劇場で演じたビゼー《カルメン》(ミカエラ)らのアリアから、学生時代に学んだロッシーニの歌曲など思い出深い作品が満載。甘くしなやかな“キャンディ・ヴォイス”を堪能できる。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2021年5月号より)
【information】
SACD『ミロワール/山口佳子』
マスネ:《タイス》より、《マノン》より/ビゼー:《カルメン》より、四月の歌、古い歌/プッチーニ:《つばめ》より/グノー:《ロメオとジュリエット》より/ドニゼッティ:《ドン・パスクワーレ》より/ロッシーニ:フィレンツェの花売り娘/プーランク:愛の小径/平井康三郎:うぬぼれ鏡 他
山口佳子(ソプラノ)
田中健(ピアノ)
アールアンフィニ
MECO-1061 ¥3300(税込)