スペインの粋を集めて
国立音大を経てパリのエコール・ノルマル音楽院に学び、名匠フランス・クリダの薫陶を受けたピアニストの細川夏子。在学中には歌曲伴奏法を修めて表現の幅を広げる一方、国際コンクールで入賞を重ねた。同音楽院を首席で卒業後は、声楽との共演を含め、国内外での精力的かつ独自の演奏活動を続けている。今回は、彼女が深いこだわりを持つ、スペインの作曲家を特集。アルベニスの「スペイン組曲」「スペイン歌曲集」より数曲と、グラナドス作品は「スペイン舞曲集」(抜粋)など。そして「恋は魔術師」より〈火祭りの踊り〉〈鬼火の歌〉〈パントマイム〉、「三角帽子」より〈夜〉〈粉屋の踊り〉に、名品「ファンタジー・ベティカ」を加えたファリャの作品を弾く。いずれも民俗音楽に根差し、19世紀末〜20世紀初めの同時代にありつつも、微妙に色彩感を異とする3者。細川は雰囲気の違いを巧みに掬い取り、弾き分けていく。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2014年1月号から)
★2月20日(木)
東京オペラシティリサイタルホール
問:日本演奏連盟03-3539-5131
http://www.jfm.or.jp