バッハの名作が沁みる格別のひと時
スイス・クーン社製の銘器の壮麗な音色と名曲とともに、心に残る聖夜が過ごせる「MUZAパイプオルガン クリスマス・コンサート」。今年は「聖夜のバッハ」と題し、2016年にライプツィヒ・バッハ国際コンクール オルガン部門を制した気鋭のオルガニスト、冨田一樹を迎えて、“音楽の父”の佳品の数々を味わう。
「最も尊敬する作曲家」というバッハを活動の中心に置き、鮮烈な快演を聴かせている冨田。プログラムは、若き日に書かれた幻想曲「ピエス・ドルグ」、重厚なサウンドを満喫できる「前奏曲とフーガ ハ長調」BWV547と、まずはオルガン独奏のための傑作を大枠に。ここへ、クリスマス礼拝のためのコラール前奏曲などが配される。
さらに、バロック・オーボエの前橋ゆかり、ヴァイオリンの長岡聡季らが加わり、マルチェッロのオーボエ協奏曲ニ短調を披露。これは、バッハ自身も鍵盤楽器独奏用へ編曲した傑作だ。そして、バッハが遺したチェンバロ協奏曲(BWV1059)の断片から、冨田自身が補筆・再構築したオーボエ協奏曲ニ短調も披露される。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2020年12月号より)
2020.12/19(土)14:00 ミューザ川崎シンフォニーホール
問:ミューザ川崎シンフォニーホール044-520-0200
https://www.kawasaki-sym-hall.jp