いのちを ささえる うた と ことば 新垣 勉トークリサイタル

 生きるということ、そして文化とは何か、ということに否応なしに注意を向けることになった2020年。新型コロナウイルスの流行によって、様々な文化イベントは中止や延期に追い込まれたが、それが逆に、あらためて文化の大切さを教えてくれた。ひとつの歌が心の支え、慰めになったという方も多いのではないだろうか。

 公益財団法人住友生命健康財団が主催する「スミセイライフフォーラム『生きる』」はこれまで様々なスタイルで、「生きる力」「いのちの力」を再発見し、幸せのヒントを共に見出そうというテーマのもと、全国各地で開催されてきた。そして2020年12月には大阪・住友生命いずみホールで、歌手・新垣勉を招いて「いのちを ささえる うた と ことば 新垣 勉トークリサイタル」を開催することになった。盲目のテノール歌手として、苦難を乗り越えて活動を続けて来た新垣の半生をトーク形式で振り返り、クラシックからポピュラーまで、新垣の人生に大きな影響を与えた“歌”を届けるというイベントである。

 メキシコ系アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれた新垣は、生後すぐの不慮の事故により盲目となる。祖母に育てられながら、ラジオから流れる賛美歌や歌謡曲を聞き、歌手になることを夢見た。賛美歌にひかれてバプテスト教会に通い、盲学校から西南学院大学神学科を卒業。その神学部4年生の時に、神戸在住のボイス・トレーナーであるアンドレア・バランドーニのオーディションを受けて、その天性の美声を評価される。ちなみにバランドーニはあの世界的テノール、マリオ・デル・モナコを育てた伯楽でもあった。
 その後、34歳で武蔵野音楽大学へ進み、40歳で大学院を修了した。2001年に「さとうきび畑」のCDをリリースして20万枚を売り上げる大ヒットとなり、以後これまでに12枚のアルバムをリリースしている。新垣の明るくつややかなテノールの声は、多くの人に癒しと勇気を与えている。

 今回のイベントではイタリア古典歌曲を代表する「カロ・ミオ・ベン」から「さとうきび畑」、そして新垣自身のメッセージを詩人・覚和歌子が作詞し、宮下博司がそれに曲をつけたオリジナル曲「うたになりたい」も披露する予定だ。
 逆境におかれた新垣が、歌にどんな想いを寄せ、そこから生きる力をどうもらったのか。トークと歌を通して、その想いを知ることで、私たちも自分の生き方にあらためて向き合うことができるはず。インターネット配信も行われるので、ぜひチェックしてみていただきたい。
文:片桐卓也


【Information】
スミセイライフフォーラム「生きる」
いのちを ささえる うた とことば
新垣 勉 トークリサイタル

2020.12/5(土)14:00〜15:30(予定)
住友生命いずみホール(大阪)

          
【応募について】
会場観覧・インターネット配信とも参加無料  
*会場観覧は応募者多数の場合は抽選

【インターネット配信日時】
2020.12/5(土)14:00~12/13(日)深夜0時
  
【申し込み締切】
会場観覧希望:11/16(月)深夜0時まで
インターネット配信希望:12/2(水)深夜0時まで

応募はこちらから↓
https://www12.webcas.net/form/pub/lifeforum/form?ad=bravo
お問い合わせ:スミセイライフフォーラム事務局0120-204-900