精鋭ピアニスト5人がニューイヤーの扉を開ける
ピアノ協奏曲にはオーケストラパートもピアノで演奏する、つまり2台ピアノ版があることをご存知だろうか。独奏楽器とまったく同じ発音構造の楽器がオーケストラパートを担当し、たった2名で奏することで、息のぴったり合ったアンサンブルや対話のような掛け合いも生じる。そんな2台ピアノ版協奏曲を、個性あふれる5名の若手実力派たちが次々と共演するという、ユニークで華やかなコンサートが新春に開かれる。
登場するのは、川口成彦、黒岩航紀、務川慧悟、小林海都、實川風。いずれも国内外の権威あるコンクールで優勝・上位入賞経験があり、すでにそれぞれの活躍が目覚ましい注目のピアニストたちだ。曲目はバロックから近現代までとバラエティに富む。以下のデュオの組み合わせにも注目したい(括弧内はオーケストラパートの奏者)。J.S.バッハの第1番を川口(務川)、プロコフィエフ第3番を黒岩(實川)、モーツァルトの第17番を小林(川口)、プロコフィエフ第2番を務川(黒岩)、ラフマニノフの第2番を實川(小林)が披露する。それぞれの専門性や持ち味・強みを活かしつつ、互いに高め合うような高次元のアンサンブルが展開してゆくに違いない。使用される楽器はウィーンが誇るベーゼンドルファーの290“インペリアル”、そして最新型のフルコンサートグランドモデル280VCという倍音豊かな美しい響きの楽器だ。新春を瑞々しく華麗なるピアノ・アンサンブルで迎えたい。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2020年11月号より)
2021.1/9(土)17:45 東京文化会館(小)
10/23(金)発売
問:サポート・アーティスツ・アソシエーション050-3695-5678
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