若き音楽家たちの放つエネルギーがステージを熱くする
渋谷区文化総合センター大和田が開館10周年を記念して、開館日にあたる11月21日、同館のさくらホールにて「“Don’t Stop The Music” 一夜限りの若者たちの祭典」と銘打った公演を開く。ロン=ティボー=クレスパン国際コンクール第3位を獲得して幅広く活躍を続けるピアニスト、實川風をはじめ、同館ゆかりの若い音楽家たちが一堂に集結する。
今回の公演のために結成されるのが大和田祝祭管弦楽団。大和田ランチタイムコンサート出演者およびウィーン=ベルリン ブラス・クインテット「若手演奏家のための公開マスタークラス」受講生をはじめとするメンバーで構成される。コンサートマスターを務めるのは林周雅。佐渡裕率いるスーパーキッズ・オーケーストラにて2年間コンサートマスターを務めたほか、最近ではテレビ朝日『題名のない音楽会』の番組内オーディションで葉加瀬太郎のツアーメンバーに選ばれて話題を呼んだ。指揮は米田覚士。オーディションで選出されてパーヴォ・ヤルヴィのマスタークラスを受講するなど、将来を嘱望される新鋭である。
プログラムはプロコフィエフの「古典交響曲」、コープランドの「静かな都会」(トランペット:髙松圭佑、コールアングレ:倉澤唯子)、ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」(ピアノ:實川風)。停滞を余儀なくされた音楽界にあって、若い才能たちの活躍ほど希望をもたらしてくれるものはない。のびのびとした勢いのある演奏を期待したい。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2020年11月号より)
2020.11/21(土)17:00 渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
11/6(金)発売
問:渋谷区文化総合センター大和田03-3464-3252
https://www.shibu-cul.jp