名手二人の邂逅が新鮮な調和をもたらす
平日お昼の時間帯に、世界有数の響きを誇るコンサートホールで、第一線プレイヤーによる名演を手ごろな料金で楽しめると好評のシリーズ「浜離宮ランチタイムコンサート」。第203回には、NHK交響楽団ハープ奏者の早川りさこと、東京都交響楽団首席コントラバス奏者の池松宏が登場し、クラシックからポピュラーまで、ハープの煌びやかな音色を縦糸に、コントラバスの温かな音色を横糸として、多彩な名旋律を織り上げてゆく。
東京藝大に学んだ早川は、第3回日本ハープコンクールや、第2回アルピスタ・ルドヴィコ・スペイン国際ハープコンクールで優勝。2013年にはタン・ドゥンの新作協奏曲を作曲者自身の指揮で世界初演、他にも数々の作品の日本初演も手掛けた実力派奏者だ。一方の池松は、桐朋学園大学卒業後にN響やニュージーランド交響楽団の首席奏者を歴任。現在は都響首席の傍ら、サイトウ・キネン・オーケストラなどでも活躍、アルバム7枚を発表するなど、ソロ楽器としてのコントラバスの可能性も追求し続けている。
今回は、まず、祈りに満ちたカッチーニ「アヴェ・マリア」から、超絶技巧に彩られたモンティ「チャルダッシュ」と超絶技巧曲まで、多彩な魅力に満ちたクラシックの名曲を披露。さらに、ビリー・ジョエルの「スーベニア」などポップス曲や、ガーシュウィンのミュージカル・ナンバーから「誰かが私を見つめてる」、メキシコの作曲家ポンセによる「エストレリータ」など、ジャンルを超えたプログラムを、2つの魅力的な音色を溶け合わせ、たっぷりと聴かせてくれる。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2020年11月号より)
2020.12/18(金)11:30 浜離宮朝日ホール
問:朝日ホール・チケットセンター03-3267-9990
https://www.asahi-hall.jp/hamarikyu/