【CD】フランス音楽黄金期の至宝/堀江真理子

 フォーレ作品をライフワークとしながら、日本の西洋音楽受容や演奏技術の伝播にも関心の高い堀江真理子。新譜は2019年11月12日に東京文化会館小ホールで行われたコンサートのライブ録音である。プーランク「間奏曲」、サティ「ジムノペディ第1番」、ラヴェル「鏡」などの独奏曲は、アカデミックな蓄積と、自身の感性と閃きとの絶妙なバランスにより、個性的な作曲家たちの声を生々しく伝え、温かみのある音色で和声の移ろいを描く。N響メンバーと共演したフォーレのピアノ五重奏曲第2番は、推進力に満ちながらも叙情的で、晩年のフォーレ作品の爽やかさを浮き立たせている。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2020年11月号より)

【information】
CD『フランス音楽黄金期の至宝/堀江真理子』

プーランク:メランコリー、間奏曲 変イ長調/サティ:ジムノペディ第1番、グノシエンヌ第2番/ラヴェル:鏡/フォーレ:ピアノ五重奏曲第2番

堀江真理子(ピアノ)
N響メンバーによる弦楽四重奏団
【大宮臨太郎 横溝耕一(以上ヴァイオリン) 中竹英昭(ヴィオラ) 宮坂拡志(チェロ)】

収録:2019年11月、東京文化会館(小)(ライブ)
ナミ・レコード
WWCC-7930 ¥2500+税