ウィーン・フィルからの10年越しのラブコールで、ハリウッドの巨人ジョン・ウィリアムズとの共演が実現。黄金の音色で奏でられる彼の楽曲の魅力的なことといったら! 今年88歳、これがヨーロッパ指揮デビューだったが、楽員が心から共感して楽しんでいるのが伝わる。ハリウッド音楽の祖はウィーンから渡米したコルンゴルトであり、もともと好相性の組み合わせだったのだろう。作曲者自身「同曲の最高の演奏のひとつ」と評した「帝国のマーチ」も、もはやオペラ間奏曲の趣で、ストーリーの背景や「悪の快楽」まで抉り出して比類なし。ムターの弾く「悪魔のダンス」の切れ味も凄い!
文:林 昌英
(ぶらあぼ2020年9月号より)
【information】
CD『ジョン・ウィリアムズ ライブ・イン・ウィーン』
J.ウィリアムズ:ネヴァーランドへの飛行、『未知との遭遇』から抜粋、悪魔のダンス、『ジュラシック・パーク』のテーマ、ダートムア 1912年、鮫狩り―檻の用意!、『スター・ウォーズ/新たなる希望』メイン・タイトル、帝国のマーチ 他
ジョン・ウィリアムズ(指揮)
アンネ=ゾフィー・ムター(ヴァイオリン)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
収録:2020年1月、ウィーン(ライブ)
ユニバーサル クラシックス
UCCG-40107 ¥2800+税