13ものコンクールを制した鬼才のバリエーション豊かなプログラム
極めて集中度の高い演奏で、聴く者を音楽の深みへといざなうピアニスト、エドゥアルト・クンツ。1980年、ロシア出身の彼は、BBCマガジンの「明日の偉大なピアニスト10人」に選ばれ、その抒情的な歌心と深い呼吸感に満ちた演奏によって、ヨーロッパの聴衆を中心に絶大な支持を集めている。
2月の東京でのリサイタルでは、スカルラッティのソナタ、バッハのパルティータ、バッハ=シロティの前奏曲、ベートーヴェンの「ワルトシュタイン」ソナタ、ラフマニノフの「楽興の時」というさまざまな時代様式に基づいたプログラムを披露する。ピアノの持つ可能性を最大限まで引き出すクンツの音楽作りが、存分に発揮されるに違いない。また、京都では一日で合計4時間の公開レッスンに熱意を注ぎ、1時間のコンサートも間に挟む。これまでに13もの国際コンクールで優勝歴を持つクンツの教えは、日本の音楽家たちに大きな気付きと感動を与えてくれることだろう。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2020年2月号より)
2020.2/6(木)18:30 日経ホール
問:日経公演事務局03-5227-4227
http://www.nikkei-hall.com
他公演(公開レッスン&コンサート)
2/9(日) 京都/サンホール 旭堂楽器店 2F(075-231-0538)