1960年に京都・岡崎地域に誕生、以来およそ半世紀にわたり京都の“文化の殿堂” として親しまれてきた京都会館が2016年1月10日(日)、ロームシアター京都としてリニューアルオープンする。老朽化にともない京都市が再整備を進めてきた後、11年9月、京都市に本社を置きこれまでも音楽文化振興のための支援を続けてきたローム株式会社が50年間にわたるネーミングライツを取得した。ロームシアター京都は、国内外の大規模公演が可能な約2000席のメインホール、舞台と客席の距離が近く一体感が得られる約700席のサウスホール、リハーサルのほか、仮設客席により200人規模の小劇場にも適したノースホールを備えた多目的ホールとして新たな一歩を踏み出す。
(取材:2015.10/19,11/18,11/20、撮影:M.Terashi & J.Otsuka /TokyoMDE、一部写真提供:©小川重雄 ロームシアター京都 )
オペラなど総合舞台芸術に対応
ロームシアター京都は、地上6階、地下2階建て。前川國男のモダニズム建築の傑作である京都会館の建物価値を継承し、美術館や動物園などを有する岡崎地域の景観とも調和しながら、抜本的な機能改善が求められる旧第一ホールは全面的に建て替え、旧第二ホールは躯体の基礎を残しつつ、耐震強化やバリアフリー化、舞台機能等の充実を図った。中心となるメインホールは、4層バルコニー構造で2005席(オーケストラピット使用時1833席)を有する、大ホール。収納型音響反射板の設置によるクラシックコンサートの他、オペラなどの総合舞台芸術公演に対応できるよう、舞台の奥行や高さを確保した。
サウスホールは、収納型の音響反射板や組立可能な舞台床を採用。客席中通路より前部を舞台面として使用可能にするなど、表現の自由度が高い空間。
ノースホールはメインホールの地下に位置し、メインホールやサウスホールのリハーサル室として、また、仮設客席を設けることで小ホールとしても利用できる。
カフェ、書店を併設した開かれた空間
二条通に面した「パークプラザ」には終演後も営業するレストランのほか、ブック&カフェを併設。「ローム・スクエア」と名付けられた、京都市美術館別館とパークプラザの間の広場は、野外イベントが可能な憩いの場として活用される。また二条通から冷泉通まで通り抜けが可能な共通ロビー「プロムナード」には、総合案内やチケット販売のほか、岡崎地域を中心とした文化芸術に関する情報案内も行う。
■ロームシアター京都
京都市左京区岡崎最勝寺町13
075-771-6051
http://rohmtheatrekyoto.jp
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