クリスマスへの期待を胸に、甘い音楽で心を平和に
クリスマス前のヨーロッパには、独特の静けさが漂う。クリスマスマーケットのきらめきは華やかだが、教会ではキリストの誕生を表す人形飾り「クリッペ」が蝋燭の灯にゆらめく。コンサートでも、静謐な作品が好まれる時期でもある。
サンクトペテルブルグ室内合奏団のクリスマス・コンサートは、この時期に耳を傾けたい名曲ぞろいである。聖母マリアへの祈りである「アヴェ・マリア」3曲の聴き比べをはじめ、バッハ、ヴィヴァルディ、ヘンデルの名曲、そしてプッチーニの名アリアまで、美しくまた晴れやかな音楽が並んでいる。一年の疲れを癒すのにも、うってつけではないだろうか。
サンクトペテルブルグ室内合奏団は、1990年代にサンクトペテルブルグ音楽院出身のメンバーで結成され、瞬く間に国際的な評価を確立した。室内合奏団と言いながらクァルテットのように柔軟性があり、美しくフレッシュな音色を持つ。ロシアのソプラノたちの歌唱も相まって、心に染みるコンサートになることは間違いない。
文:加藤浩子
(ぶらあぼ2019年12月号より)
2019.12/8(日)、12/14(土)、12/15(日)、12/24(火)、12/25(水)東京オペラシティ コンサートホール
12/18(水) 東京文化会館
12/22(日) 横浜みなとみらいホール
問:光藍社チケットセンター050-3776-6184
https://www.koransha.com/
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