マーク・ウィグルスワース(指揮) 東京交響楽団

英国コンビによるセンス抜群のモーツァルトとマーラー


 音楽監督ジョナサン・ノットと快進撃を続ける東京交響楽団だが、客演指揮者やソリストにも注目すべき才能が並ぶ。12月の定期演奏会では、ノットと同じイギリス人のコンビが招かれる。

 指揮のマーク・ウィグルスワースは今回で5度目の客演。楽員からの信頼も厚いという1964年生まれの実力者だ。2018年に登場した際にはブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」の1888年版/2004年コーストヴェット校訂版を用いた変化球で話題を呼んだが、今回はマーラーの交響曲第1番「巨人」で直球勝負を挑む。東響のマーラーといえば近年はノットの指揮で聴く機会が多かったが、ウィグルスワースはまた一味違ったテイストのマーラーを披露してくれることだろう。

 モーツァルトのピアノ協奏曲第24番ハ短調で共演するのは、1996年生まれのマーティン・ジェームズ・バートレット。2014年にBBCヤングミュージシャン・オブ・ザ・イヤーに選ばれ、BBCプロムスに出演するなど、今まさに躍進する若手奏者である。東響には18年に続く再登場。全身を使って音楽と一体となって鍵盤に向かう姿には、思わず見る者を引き込む力がある。この曲は巨匠ハイティンクとも共演している得意のレパートリー。アンドラーシュ・シフからマスタークラスに招待され、録音ではすでにワーナー・クラシックスからデビューを果たすなど、バートレットへの期待は大きい。新星がまばゆい輝きを放つ。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2019年12月号より)

第73回 川崎定期演奏会 
2019.12/7(土)14:00 ミューザ川崎シンフォニーホール

第676回 定期演奏会 
2019.12/8(日)14:00 サントリーホール

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