【CD】カプースチン:ピアノ協奏曲 第5番、六重奏曲 他/川上昌裕

 日本を代表するカプースチンのスペシャリスト、川上昌裕によるピアノ作品全曲録音の第3弾である。今回はピアノ協奏曲と室内楽(全曲世界初録音)というプログラムであり、非常に歴史的価値の高い内容だ。もちろん、重要なのは曲目だけではない。川上はカプースチンの音楽に求められる躍動感あふれるリズム、次々に変化する楽想に対応し、多様なニュアンスを聞かせる音色を兼ね備えており、彼自身の技量も存分に見せつけることに成功している。それにしても、ビッグ・バンドを聴いているような「ピアノ協奏曲第5番」は今後、演奏機会が増えていくのではないか。非常に魅力的な作品である。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2019年11月号より)

【information】
CD『カプースチン:ピアノ協奏曲 第5番、六重奏曲 他/川上昌裕』

カプースチン:ピアノ協奏曲第5番、10のインヴェンション、カプリチオ、六重奏曲「イントラーダとフィナーレ」

川上昌裕(ピアノ) 大塚茜(フルート) 吉川直貴(オーボエ) 菊池武文(ヴィオラ) 佐藤洋嗣(コントラバス) 重本遼大郎(ドラム) 飯森範親(指揮) 日本センチュリー交響楽団

収録:2018年11月、ザ・シンフォニーホール(ライヴ) 他
オクタヴィア・レコード
OVCT-00163 ¥3000+税

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