迸る感性と技巧、選曲の独創性!
磨き抜かれたリズム感と構築性、そして美音を武器に、独自の響きの宇宙を現出し続ける実力派ピアニスト、白石光隆。東京藝大・同大学院を経てジュリアード音楽院に学び、帰国後は、幅広いレパートリーを繊細かつ大胆に弾きこなす一方、子ども向けの教育プログラムの実施に力を注ぎ、母校などで後進の指導にもあたっている。
今回のプログラムは「無伴奏パルティータ第3番」(ラフマニノフ編)などのバッハと、ベートーヴェンの傑作ソナタ、第21番「ワルトシュタイン」を軸に。これらに組み合わされるのが、ルンバやブギウギなど独特なリズム感覚に満ち、圧倒的な存在感を放つ黛敏郎「オール・デウーヴル」、故国スペインの伝統と革新をブレンドして創り上げた独自の空気感を持つトゥリーナ「3つの幻想舞曲」、そして清冽なショパン「スケルツォ第4番」だ。白石のピアニズムが、どのように多彩な作品たちを共鳴させ合うのか期待したい。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2019年9月号より)
2019.9/11(水)19:00 東京文化会館(小)
問:プロアルテムジケ03-3943-6677
https://www.proarte.jp/