多彩な顔ぶれが揃う、記念年にふさわしい壮大なプロジェクト
神戸市室内管弦楽団が2020年のベートーヴェン生誕250年に向けて、「ベートーヴェンの森」と名付けた演奏会シリーズを開催する。今年11月16日に開く「前夜祭」を含め、21年1月までの全7回。ベートーヴェンの交響曲9曲に、5曲のピアノ協奏曲とヴァイオリン協奏曲、三重協奏曲の全協奏曲を組み合わせた。加えて「前夜祭」では大作「ミサ・ソレムニス」が用意され、指揮は秋山和慶が登場。神戸市室内管にとって初共演となるだけでなく、秋山がこの曲を振るのも珍しい。合唱は神戸市混声合唱団。そこに伊藤恵が弾く「ピアノ協奏曲第2番」が加わる。
この企画は18年10月に亡くなった同室内管・前音楽監督の岡山潔が、資金面にも苦慮しつつ数年来温めてきたもの。各回のカップリングもすでに岡山が計画をしていた。ほかに指揮者はリューディガー・ボーン、ジョナサン・コーエン、クリストフ・ポッペン、鈴木秀美、下野竜也、石川星太郎と多彩な顔ぶれが揃う。独奏者はエリソ・ヴィルサラーゼ、キム・ソヌク、シャイ・ウォスナー、小菅優(以上ピアノ)、ライナー・ホーネック(ヴァイオリン)、「三重協奏曲」はヘルベルト・シュフ(ピアノ)、アリーナ・ポゴストキーナ(ヴァイオリン)、石坂団十郎(チェロ)という陣容。
阪神・淡路大震災から25年の機会に行われる本プロジェクトは、昨年から正規メンバーにオーボエとホルンが加わった神戸市室内管の本格的なお披露目という意味でも必聴だ。
文:小味渕彦之
(ぶらあぼ2019年9月号より)
前夜祭
2019.11/16(土)16:00 神戸文化ホール (大)
第1回
2020.1/11(土)15:00 神戸文化ホール(中)
第2回
2020.3/20(金・祝)15:00 神戸文化ホール(中)
3/22(日)15:00 東京/紀尾井ホール
問:神戸市民文化振興財団078-361-7241
http://www.kobe-ensou.jp/
※第3回以降の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。