3つの世紀の逸品で実力を遺憾なく発揮
ドイツを中心に充実した活動を続け、欧州の名ホールの数々にも出演を重ねるアマリリス弦楽四重奏団が、7年ぶりの来日公演を行う。2011年、「パオロ・ボルチアーニ賞」国際弦楽四重奏コンクールの順位なしのファイナリスト、メルボルン国際室内楽コンクールで第1位を獲得。師事したアルバン・ベルク弦楽四重奏団の特徴も受け継ぎ、近現代ものを積極的に取り入れるスタンス、現代的なシャープさと共に歌心も忘れない演奏が魅力だ。16年4月からはヴィオラに世界で活躍する名手、赤坂智子が加入。今回は現メンバーでの初来日となり、さらに注目を集めている。
演目はモーツァルト「不協和音」とチャイコフスキー第1番という超名作の間に、尖鋭極まりない20世紀のルトスワフスキ作品が挟まれる、聴き応え十分の3曲。「不協和音」は赤坂が加わって最初の録音曲であり、ルトスワフスキは「クァルテットの主要レパートリーになっていくはず」と思い入れは深い。いまの彼らの名刺代わりの演目で、その名技を味わう。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2019年8月号より)
2019.9/28(土)14:00 第一生命ホール
問:トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702
https://www.triton-arts.net/