2019年度武満徹作曲賞 本選演奏会(審査員:フィリップ・マヌリ)が6月9日、東京オペラシティコンサートホールにて行われ(指揮:阿部加奈子、東京フィルハーモニー交響楽団)、受賞者が決定した。受賞者と作品は以下の通り。
【受賞者・作品】
第1位 シキ・ゲン(中国)
地平線からのレゾナンス (賞金100万円)
第1位 パブロ・ルビーノ・リンドナー(アルゼンチン)
Entelequias (賞金100万円)
第2位 スチ・リュウ(中国)
三日三晩、魚の腹の中に(賞金60万円)
第3位 ツォーシェン・ジン(中国)
雪路の果てに(賞金40 万円)
「武満徹作曲賞」は、より創造的な音楽文化の可能性を育むため、東京オペラシティ文化財団が世界の次代を担う若い世代に新しい音楽作品の創造を呼び掛けるもので、ただ一人の作曲家が審査員をつとめるというユニークさと、受賞者のその後の活躍などにより、世界的に知られている。
21回目となる今回は、世界31カ国83作品から、2018年10月中旬から11月下旬の譜面審査(作曲者名等の情報は伏せ、作品タイトルのみ記載されたスコアを使用)で4作品が選ばれた。
フィリップ・マヌリは、ファイナリストについて「4曲とも作曲家がオーケストラに魅了されているという点で素晴らしかったと思います。(中略)現在、オーケストラ作品を書くということは容易ではありません。音色の組み合わせの可能性は限りなくあり、伝統の重みも壁になり得ます。どのように選択をするのか、あるいはどのように歴史から逃げるのか。今日発表した彼ら若い作曲家たちは、この伝統を続ける決意をしました。もし彼らに1つアドバイスを渡すとしたら、次のことを伝えるでしょう。今日のオーケストラはどのような姿になり得るのか、考えてみて欲しいということです」と評した。
20年度「武満徹作曲賞」は、トーマス・アデス(イギリス)を審査員に迎え、2020年5月31日(日)に開催される。