若きシェフがもたらすフレンチのフルコース
ピエール・ドゥモソーは、新進気鋭のフランスの指揮者。パリ国立高等音楽院に学び、2017年には第1回ワロン王立歌劇場オペラ指揮者コンクールで最高位(2位)を獲得。パリ国立歌劇場などで研鑽を積み、アシスタント・コンダクターだったボルドー・アキテーヌ国立管では、アラン・ロンバールの代役を見事にこなし、好評を得た。
そんな俊英が初来日し、オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の指揮台に立つ。OEKでは昨年9月、鬼才マルク・ミンコフスキが芸術監督に就任し、大きな話題に。実はドゥモソーはミンコフスキのアシスタントを務めた経験があり、その実績も認められての抜擢となった。
18世紀から現代まで幅広いレパートリーを擁する彼だが、今回はオネゲル「夏の牧歌」、ジャン・クラ「子供の心」、フォーレの劇付随音楽「ペレアスとメリザンド」組曲、ルーセルのバレエ音楽「蜘蛛の饗宴」と、近代フランスの管弦楽作品を披露。ほぼ同時代ながら、全く異なる色彩を湛える4曲を、どう料理してゆくのか。非常に興味深い。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2019年6月号より)
第415回 定期公演マイスター・シリーズ
2019.6/8(土)14:00 石川県立音楽堂コンサートホール
問:石川県立音楽堂チケットボックス076-232-8632
http://www.oek.jp/