─横浜市全域で繰り広げられる日本で最大規模のフェステバルが今秋開催─
3年に一度実施される、日本で最大級の音楽フェスティバル「横浜音祭り」が、今年9月15日から11月15日にかけて開催される。これは横浜市全域において、プロのアーティストからアマチュアまで参加して行う大規模な音楽祭で、3回目となる今年も、もりだくさんのコンテンツにより、横浜市全体が音楽の街と化する。
開催に先がけて、4月23日に都内で記者会見が行われ、プログラムの概要が発表された。会見には近藤誠一(横浜アーツフェスティバル実行委員会 委員長)、林文子(横浜市長/同実行委員会 名誉委員長)、新井鷗子(横浜音祭り2019ディレクター)、ゲストとして菅野祐悟(作曲家)、私立恵比寿中学(アイドル)、葉加瀬太郎(ヴァイオリニスト)、林英哲(和太鼓奏者)、村治佳織(ギタリスト)が登壇した。
(2019.4/23 東京都内 Photo:J.Otsuka/Tokyo MDE)
まず、近藤委員長の挨拶。
「横浜は、今年ラグビーワールドカップ2019の準決勝と決勝が行われ、また来年の東京2020オリンピック・パラリンピックの会場にもなります。3回目となるこのフェスティバルを通じて、横浜からオールジャンルの音楽を世界に発信するとともに、一人ひとりが自分自身のよりどころを正しく見つめなおすイベントとなれば良い。また子どもたちの創造性を伸ばすことにおいて、音楽の力を感じている」と述べ、次世代の育成においても、音楽の重要性と音祭りの意義を強調した。また今年と来年が「日英交流年」であることにも言及し、横浜市がラグビーのスコットランドチームの公認チームキャンプ地になること、そして「交流年」にあわせて市内で様々なイベントが繰り広げられることも述べられた。
次に林市長が開催への意気込みを語った。
「横浜は開港してから今年で160周年、また元号が新しくなる年でもある。こうした年に3回目の音祭りを開催できるのは非常に嬉しい。音祭りの特長はオールジャンルの音楽が演奏されること。これまでにも、えっ?と驚くようなコラボレーションが行われてきた。今年も全域で300ものイベントが行われることになっているが、ワクワクするような内容になるのでないかと思う」と語り、芸術の重要性について「言葉を越え、『愛』を表現できるのは芸術だと思う。子どもたちの豊かな感受性を伸ばしてゆくためにも、音祭りは続けていきたい」と述べた。
この後に、新井ディレクターが登場。「国籍、人種、世代、ジェンダー、障がいの有無を越えて、一人ひとりに音楽を実感できるようなインフラづくりをしたい」と今回の開催趣旨を語り、期間中の演目について説明した。フェスティバルは、アンドレア・バッティストーニ指揮東京フィルハーモニー交響楽団と、清水和音(ピアノ)、横浜少年少女合唱団によるオープニングコンサート(9/15)で幕を明ける。
会見では、『踊る大捜査線』『亜人』などで知られる映画監督・本広克行がプロデュースする「ヨコハマ・ポップス・オーケストラ2019」(11/1)に出演のももいろクローバーZのビデオ・メッセージを紹介。また、障がいなど身体的制約があり、外出が困難な人でも他の場所で感情や意志を伝えたり、離れた場所でのコンサートなどを知覚することを可能とする分身ロボット「OriHime」と、開発者の吉藤健太朗が登場し、ステージ上で、実際にOriHimeが活用されている例を紹介した。
ここからはゲスト・アーティストたちのコメント。
劇伴の若き巨匠と言われる作曲家の菅野祐悟は、「ヨコハマ・ポップス・オーケストラ2019」で指揮とピアノを受け持ち、菅野による本広作品の映画音楽を、ももいろクローバーZと神奈川フィルハーモニー管弦楽団との共演で贈る。
「本広監督から映画のオファーをいただき、この音祭りにも参加させてもらえるのは光栄なこと。これまで作曲した楽曲を監督に選んでもらい演奏します。ももいろクローバーZが出てくれるというので、いろいろワクワクする企画を考えています」
フェスティバル期間の週末を中心に、市内の商業施設や公園などのオープンスペースで行われる市民参加型の「街に広がる音プロジェクト」には、アイドル・グループの私立恵比寿中学も出演する。
「結成10年目の年に音祭りに参加できて嬉しい。『街に広がる音プロジェクト』は、私たちのほかに様々なアーティストが参加され、観覧無料のライブを行います。私たちもオープンスペースでライブをしますので、皆さんと一緒に盛り上がれたらと思います」
イギリス在住の葉加瀬太郎は、クロージングコンサートに出演(11/15)。横浜シンフォニエッタ、ヴォーカルのMay J.とのコラボで、自作曲をオーケストラ版で披露し、掉尾を飾る。
「ロンドンでは『プロムス』という地元の人が大勢あつまる人気の音楽祭があるが、それと同じで、音祭りも街全体で音楽祭を行うことに大きな意味があると思う。自分としては、自作や名曲を自分なりにアレンジしてクラシカルなオーケストラで演奏できるのも嬉しいし、今後もこうしたコンサート続けたい」
太鼓奏者の林英哲は、「演奏を初めてから48年になるが、フランスなど海外で演奏することが多かった。この音祭りでは、『音祭り2019スペシャルコンサート』(11/9)に出演し、その第2部で『レオナール われに羽賜(はねた)べ』という自作を演奏します。これはフランスで活躍した画家のレオナール・フジタ(藤田嗣治)を題材とした劇的な作品で、横浜初演です。藤田の人生のいくつかの場面を表現する」という。
昨年、デビュー25周年を迎えた人気ギタリストの村治佳織は、「村治佳織の世界」と題し、カウンターテナーの藤木大地とのデュオとソロリサイタルを行う(10/12、10/26)。
「横浜はプライベートでよく来る街。以前、林市長と対談をしたこともあります。今回の音祭りでは、藤木大地さんとの共演が楽しみですし、昨年にリリースしたアルバム『シネマ』に収録した映画音楽からいくつか、そして自作など弾きます。新しいクラシック・ギターのかたちを多くの方にお届けできるのではないかと思います」
横浜音祭り2019
2019.9/15(日)〜11/15(金) 横浜市全域(横浜の”街”そのものが舞台)
プログラム数:約300
問:横浜音祭りチケットセンター045‐453‐5080
https://yokooto.jp/