第12回 トッパンチャリティーコンサート

クラシックの演奏会で識字教育支援事業に貢献


 世界的な総合印刷企業として知られる凸版印刷が、途上国での識字能力の向上を支援するため、毎年開催している「トッパンチャリティーコンサート」。第12回では、ギターの大萩康司とバンドネオンの三浦一馬による若手実力派デュオ(5/29)、そして、圧倒的な人気と実力を誇るソプラノの森麻季(6/6)、2つの公演が行われる。

 凸版印刷は1900(明治33)年に創業して以来、印刷を通じた情報や文化の普及・発展にも力を注ぐ。このチャリティーコンサートは、2008年にスタート。収益はユネスコ・アジア文化センターに寄附され、特にカンボジアの女性たちを対象として、識字能力向上のための教育支援を行う「SMILE ASIAプロジェクト」を推進させるなど、成果を挙げている。

 詩情と感性あふれる大萩。鮮烈な音楽性を迸らせる三浦。ジャンルを超越した活動を続ける2人は、何度も共演を重ねている。今回は、バルトーク「ルーマニア民俗舞曲」や三浦の編曲によるピアソラ「タンゴ組曲」からの抜粋ほかを。さらに、三浦がオークションで楽譜を“発掘”したという、このデュオ編成のためのオリジナル曲、ギュビッチ「ヴィラ・ルーロ」も披露される。

 一方、日本を代表する“歌姫”として、国内外の檜舞台で大活躍を続ける森。今回は山岸茂人のピアノを伴い、メンデルスゾーン〈歌の翼に〉やシューマン〈献呈〉、フォーレ〈夢のあとに〉、アーン〈至福の時〉などの歌曲、さらにモーツァルト《ドン・ジョヴァンニ》《コジ・ファン・トゥッテ》ほかオペラからのアリアまで、選りすぐりの名旋律を歌う。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2019年4月号より)

2019.5/29(水) 大萩康司 & 三浦一馬 
6/6(木) 森 麻季
各日19:00 トッパンホール
問:トッパンホールチケットセンター03-5840-2222 
http://www.toppanhall.com/