「ショパン—200年の肖像」展が今秋から全国巡回

 2019年は日本とポーランドの国交樹立100周年にあたるメモリアルイヤー。これを記念し、「ショパン—200年の肖像」展と題した展覧会(神戸新聞社など主催)が開催される。その記者発表が4月9日、駐日ポーランド共和国大使館で行われた。

 展覧会は今年10月から来年9月まで兵庫、福岡、東京、静岡で開催される予定で、ショパンにまつわる多種多様な美術作品、資料などが展示され、ショパンの音楽と人生が俯瞰できる形となっている。ポーランドの国立フリデリク・ショパン研究所の全面的な協力を得て企画・実施するもので、ワルシャワ国立博物館、オランダ・ドルトレヒト美術館など、国内外から貴重な資料が提供される。

左より:マリア・ジュラフスカ(ポーランド広報文化センター所長)、梶村英樹(日本ショパン協会 事務局長)、ヤツェク・イズィドルチク閣下(駐日ポーランド共和国特命全権大使)、高士 薫(「ショパンー200年の肖像」展実行委員会会長/神戸新聞社代表取締役会長)、高橋多佳子(ピアニスト)

 みどころは大きく分けて5項目。ひとつ目は「日本初公開の自筆の楽譜と手紙」。これらは厳重に保管され、現地でも公開は限定されている貴重な資料。とりわけ「エチュード ヘ長調 作品10の8」自筆譜(製版用)と「自筆の手紙―パリのヴォイチェフ・グジマワ宛て(エディンバラ、1848年10月3日)が大きな意義をもつ。2つ目はアリ・シェフェール作の日本初公開「フリデリク・ショパンの肖像」。1847年に描かれた油彩画で、おだやかな表情を備えたショパンの絵である。3つ目は「日本におけるショパン受容」。明治期から第二次世界大戦までの日本でのショパン受容を当時の出版物や資料で紹介する。4つ目は一色まこと著による『ピアノの森』(講談社の連載漫画)の原画やTVアニメ映像が展示される。5つ目は「多彩な連動イベント」。レクチャー、コンサート、講演会などでさまざまなショパンが体感できる。

《「エチュード ヘ長調 作品10の8」自筆譜(製版用)》
フリデリク・ショパン、1833年以前、インク、紙
Photo: The Fryderyk Chopin Institute

《自筆の手紙-パリのヴォイチェフ・グジマワ宛て
(エディンバラ、1848年10月3日)》
フリデリク・ショパン、1848年、インク、紙
Photo: The Fryderyk Chopin Institute

 なお、展示構成は以下の通り。「第1楽章 わたしたちのショパン」と題し、ポーランドのフリデリク・ショパン博物館の現代作品が出展される。「第2楽章 ショパンを育んだ都市ワルシャワ」は、ショパンが育ったポーランドの風景やゆかりの人々の肖像画などで構成。「第3楽章 華開くパリのショパン」では、パリに生きたショパンが絵画などで多角的に紹介される。「第4楽章 真実のショパン―楽譜、手紙―」では直筆の楽譜や手紙、実際に本人が使用していた物などリアルな品々が登場、心が打たれる。「第5楽章 ショパン国際ピアノコンクール」では、コンクールの詳細が紹介され、次回2020年への期待が募る。
取材・文:伊熊よし子

 

《フリデリク・ショパンの肖像》
アリ・シェフェール、1847年、油彩、カンヴァス
© Dordrechts Museum

【開催概要】
「ショパン—200年の肖像」展

兵庫会場
 会期:2019年10月12日(土)〜12月1日(日)
 会場:兵庫県立美術館 ギャラリー棟

福岡会場
 会期:2020年2月1日(土)〜3月22日(日)
 会場:久留米市立美術館

東京会場
 開催予定日:2020年4月〜6月
 場所:練馬区立美術館

静岡会場
 開催予定日:2020年8月〜9月
 場所:静岡市立美術館