伝統に培われた多彩で奥深い表現力
帝政時代からソヴィエト、そして現代へ。脈々と受け継がれる「合唱大国ロシア」の伝統の真髄に触れるステージだ。
1866年に創設された、名門・チャイコフスキー記念ロシア国立モスクワ音楽院。国立モスクワ音楽院室内合唱団は、合唱の権威ボリス・テヴリン教授のもと、合唱指揮科の所属学生や大学院生、卒業生から精鋭を選りすぐり、1994年に結成された。現代に至る自国の作品のみならず、諸外国の作品や民俗音楽、ポピュラー音楽まで、幅広くレパートリーに。繊細かつ密度の濃いアンサンブルで、国際的なコンクールでの優勝も数多い。
テヴリンの愛弟子、アレクサンドル・ソロヴィヨフに率いられ、6度目となる来日。第1部「古典と現代」では、スクリャービンやラフマニノフなど自国の佳品に、モーツァルト「アヴェ・ヴェルム・コルプス」ほか、国境を越えた古典の傑作も。第2部「外国音楽傑作集」は、ピアノの日高志野らを伴ってのロッシーニ「小荘厳ミサ」(抜粋)から黒人霊歌まで、多彩で奥深い、世界の合唱音楽を紹介する。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2019年5月号より)
2019.6/28(金)18:30 日経ホール
問:日経公演事務局03-5227-4227
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