オーボエ界から麗しき名手が新たに登場
昨年開催された「第12回 国際オーボエコンクール・東京」で、最高位(1位なしの第2位)を受賞した浅原由香が、「東京・春・音楽祭2019」で受賞記念のリサイタルをひらく。東京都出身の浅原は、10歳でオーボエを始め、東京藝術大学附属高校、東京藝術大学、同大学院修士課程で学んだ。
今回のリサイタルでは、バロック音楽から20世紀音楽までバラエティに富んだプログラムが組まれている。クープランの「『趣味の融合 または新しいコンセール集』よりコンセール第5番」では和やかなアンサンブルが楽しめるであろう。指揮者として著名なアンタル・ドラティが作曲した、無伴奏オーボエのための「5つの小品」やオーボエとピアノのための協奏的二重奏曲は、オーボエ奏者にとって欠くことのできないレパートリーとなっている(前者は抜粋)。浅原の妙技を聴くには最適の作品に違いない。クララ・シューマンの「3つのロマンス」やミヨーの「オーボエとピアノのためのソナチネ」でも魅力的な演奏が聴けるであろう。
また、オーボエの荒木奏美、ファゴットの坂井由佳、コントラバスの北村一平、ピアノの宇根美沙惠、チェンバロの野澤知子ら、共演者たちにも注目したい。なかでも、現在、東京交響楽団の首席奏者を務める荒木は、「第11回 国際オーボエコンクール・軽井沢」の第1位受賞者であり、同コンクールの前回と今回の最高位受賞者の共演が実現することになる。浅原の東京春祭デビュー・リサイタルが楽しみである。
文:山田治生
(ぶらあぼ2019年4月号より)
東京・春・音楽祭 2019
第12回 国際オーボエコンクール・東京 最高位受賞記念
浅原由香 オーボエ・リサイタル
2019.4/10(水)19:00 上野学園 石橋メモリアルホール
問:東京・春・音楽祭チケットサービス03-6743-1398
http://www.tokyo-harusai.com/