【CD】岸田繁『交響曲第二番』初演 /広上淳一&京都市響

 クラシックの専門家でない、しかし、豊かな感性を備えたクリエイターに、変幻自在のオーケストラ・サウンドを託したら、一体どんな音楽が生まれるのか。幸せな結果が、これだ。人気ロックバンド「くるり」のリーダー岸田繁が、作曲家として取り組んだ「交響曲第二番」。広上淳一指揮の京都市響による名古屋でのライヴを収録した。溢れ出る旋律と和声を自在に綴り、幻想曲が連なる組曲の趣を湛えた「第一番」に対し、今回は、ソナタ形式などの“型”を意識。それ故に、多彩な素材や楽章間に、より有機的な繋がりが生まれた。広上と楽員たちも、渾身の熱演で応えている。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2019年4月号より)

【Information】
CD『岸田繁「交響曲第二番」初演 /広上淳一&京都市響』

岸田繁:交響曲第二番、管弦楽作品集「フォークロア・プレイリスト①」より「弦楽五重奏のための古風な舞曲『あなたとの旅』(管弦楽版)」「オーケストラのための序曲『心の中のウィーン』」

広上淳一(指揮)
京都市交響楽団

収録:2018年12月、愛知県芸術劇場 コンサートホール(ライヴ)
ビクターエンタテインメント
VICC-60955 ¥2500+税
3/27(水)発売