1998年録音の本作、ガーシュウィン生誕120年にあたる2018年に新リマスタリングで復刻。サクソフォン・アレンジによるその作品集である。曲によって中村均一によるソロ及び彼も参加するアルモ・サクソフォン・クァルテットが吹き分け、ピアノで白石光隆が参加するトラックも。感嘆すべきは中村のコクのある美しい音色と絶妙な歌心(トラック①を)。時に大胆なアレンジを聴かせるクァルテットによる「ラプソディー・イン・ブルー」や「パリのアメリカ人」は、音域の異なる4種の楽器と4名による音楽的呼吸が完璧。胸のすくような快演とはこのことか。アレンジものと侮るなかれ。
文:藤原 聡
(ぶらあぼ2019年2月号より)
【information】
CD『ラプソディ・イン・ブルー〜ガーシュウィン名曲集〜 /中村均一』
ガーシュウィン:サムワン・トゥ・ウォッチ・オヴァー・ミー、ラプソディー・イン・ブルー、魅惑のリズム、バイ・シュトラウス、パリのアメリカ人、リアルト・リップルズ、メリー・アンドリュー、ポーギーとベス 他
中村均一(サクソフォン)
白石光隆(ピアノ)
アルモ・サクソフォン・クァルテット
【中村均一 遠藤朱実 松雪明 栃尾克樹】
マイスター・ミュージック
MM-4048 ¥3000+税