府中の森クラシックコレクション 上原彩子 ピアノリサイタル

ロマン派作品に内包された感情の起伏を繊細に描き出す

©K.Miura
 第12回チャイコフスキー国際コンクールのピアノ部門で女性として、また日本人初の第1位に入賞したピアニストの上原彩子。ソロはもちろん、海外の一流演奏家、オーケストラとの共演も数多く、世界的に活動を展開する彼女が、多くの国際的な演奏家が出演してきた「府中の森クラシックコレクション」に登場する。演奏曲はモーツァルトの「ピアノ・ソナタ第10番 ハ長調 K.330」にシューマンの「ウィーンの謝肉祭の道化 op.26」、ブラームスの「6つの小品 op.118」、そしてリストの「巡礼の年 第2年『イタリア』より 第7番“ダンテを読んで〜ソナタ風幻想曲”」。ドイツ・ロマン派の作品を中心としたプログラムが揃った。チャイコフスキーなどロシアもののイメージが強いが、繊細で美しい音色と豊かな歌心に溢れた上原のピアニズムはこれらの作曲家と相性がいい。特にリストは作品の内包する感情に深く切り込んだ演奏を聴かせてくれるはずだ。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2019年2月号より)

2019.3/9(土)14:00 府中の森芸術劇場 ウィーンホール
問:チケットふちゅう042-333-9999 
http://www.fuchu-cpf.or.jp/theater/