浮ヶ谷孝夫(指揮) ブランデンブルグ国立管弦楽団フランクフルト

ドイツ伝統の響き、そして王道を行くプログラム

 この春、ドイツのブランデンブルグ国立管弦楽団フランクフルトが来日ツアーを行う。同オーケストラの来日は2005年以来、久しぶりとなる(旧称はフランクフルト国立管弦楽団)。ドイツにはフランクフルトという街がふたつあるが、こちらはポーランド国境に面するフランクフルト・アン・デア・オーダーのオーケストラ。かつてバッハの息子カール・フィリップ・エマヌエルが若き日を過ごした街でもある。

 指揮は同楽団の首席客演指揮者を務める浮ヶ谷孝夫。長くドイツを拠点に活動し、北西ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者を務めたほか、ハノーファー北ドイツ放送フィルやポーランドのポメラニアン・フィル等との録音も多い実力者である。

 今回のツアーではドイツ音楽中心のプログラムが組まれた。とりわけ注目されるのは、福間洸太朗と共演する東京、佐賀、姫路の3公演。ベートーヴェンの「プロメテウスの創造物」序曲、ブラームスのピアノ協奏曲第2番、そしてブラームスの交響曲第1番(東京)またはベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」(佐賀、姫路)が演奏される。名曲中の名曲が並んだプログラムで、国際化が著しく進むメジャー・オーケストラとはひと味違った、ドイツ伝統の響きを聴かせてくれるのではないだろうか。世界で活躍するヴィルトゥオーゾ、福間のスケールの大きなソロにも期待が高まる。

 そのほか、豊橋、京都、米子、松戸、川口でも公演が開催され、ソリストとして辻田薫り(ヴァイオリン)、吉田順子、山城裕子(以上ピアノ)が出演する。いずれも「英雄」を中心とした聴きごたえのあるプログラムだ。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2019年2月号より)

浮ヶ谷孝夫(指揮) ブランデンブルグ国立管弦楽団フランクフルト
2019.5/24(金)19:00 ライフポートとよはし(プラットチケットセンター0532-39-3090)
5/25(土)14:00 京都コンサートホール(プランツ・コーポレーション075-222-7755)
5/26(日)15:00 米子コンベンションセンター(米子公演実行委員会0859-29-5912)
5/28(火)19:00 佐賀市文化会館(RO-ONクラシックの会(佐賀)0952-26-2361)
5/29(水)19:00 姫路市文化センター(姫路労音079-288-6600)
5/31(金)19:00 東京芸術劇場(RO-ONチケット047-365-9960)
6/1(土)15:00 松戸・森のホール21(047-384-3331)
6/2(日)15:00 川口総合文化センター リリア(048-254-9900)
※プログラム、ソリストは公演ごとに異なります。全国ツアーの詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。 
https://bsof2019.jp/